LOONSHOTS<ルーンショット> クレイジーを最高のイノベーションにする

イノベーションが生まれる仕組みを、化学の知見を組織に応用して紐解いていく、画期的な内容。テック系のユニコーン始めとした世界を変えるようなイノベーションが生まれるための組織作りについての示唆が得られる。また、日本の製造業・ものづくりが成長のエンジンになるためにどういう組織設計をすべきか、という観点でも深いインサイトが得られる。クリステンセンの有名な『イノベーターのジレンマ』が、どちらかというと大企業にフォーカスし、大企業でイノベーションが生まれにくく、大企業がユニコーンに喰われるメカニズムを提示しているのに対し、本書は、どういった組織でそうしたイノベーションが起こるのか、ユニコーン(に限らず世の中を大きく変えるイノベーション)がどういう化学反応で生まれるのか、といった観点で論じる。両方読むことで、イノベーションとビジネスに関する洞察が深くなるように思う。特に製造業の経営者やビジネススクールの学生にはぜひお勧めしたい一冊。なお原著英語版も平易な英語で書かれているので読みやすくお勧め。